山のぞうけい

ぞうけいの天使

昨日のアガノ小の子供達の訪問は、トワンのエスコートでこの部屋から見学して回った。

石を彫るということは絵を描くことから始まる。絵を描けない彫刻家が多過ぎる。詩を知らずに歌えるはずがない。造形の言語は山から森を抜け広く豊かな大平原に広がって大海原に出てまた戻って来る。

芸術家になりたいと言った子が2人もいた。ぞうけいの子も入れると3人だ。7歳の決意は何らかの形で実現すると言われている。無垢は最内部にそっと大事に保存されるのだ。磨こうとする時にいつでも取り出せるように。(K)

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天使たちの来訪

今朝天使たちがアトリエにやって来た。数日前に知らされていたことではあるが地元の小学校に通う1、2年生たちだ。授業の一環らしい。しかし全員で8人足らずだ。山のぞうけいの生徒の絵を見てから我々の彫刻、油絵、版画を見せた。版画室では銅版の刷りを実演して見せた。わっと歓声が上がる。
子供の感想が面白い。なぜこの白い人には目や口がないのか?未だ途中なのか?油絵の一部を指し示し、ずっと奥の方まで指が届きそうだとか、触ろうとしても触れない感じだとか。
展覧会をやるならその前に子供たちに作品を見てもらおう。その反応を見れば自分の作品が世間に通用するものかどうかがよくわかる。そういう気持ちになった。(画)
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ファンタジー

子供達は知っている、雪の柔らかさや面白さを。
ウサギは知っている、今日の雪は冷たいかどうかを。

トワンがこの裏山でイノシシを深追いして帰れなくなったのは、雪の怖さを知らなかったからだ。重い湿雪は足を濡らし凍らせ、足跡も臭いもすっかり消してしまう。5日目の夜に山向こうの集落でトワンを見つけた時はほんとうに奇跡のようだった。嬉しかった。すっかり痩せた体、爪の間からは血が滲んだ。

怖い体験は知恵を授ける。あの後イノシシを遠くに見つけたトワンは一声「ワン!」と吠えただけだ。(K)

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子供の油絵

「画材屋さんでサービスにもらったんですけど子供達と使えるでしょうか」と生徒さんの親御さんに渡された小さなキャンバス。数ヶ月特に思い当たらずずっと置いてあったのだが、今日思い切って使ってみることにした。

アクリル絵具を久しぶりに箱から出したら、チューブの中でコチコチに固まっているものばかり。やっと6色何とか使えそうだ。水で溶かすにも指でほぐしてやらないとダメなくらい古い。緑色の一色だけは柔らかく描きやすかった。

それでも子供は面白がって塗ってくれる。ある色だけで描いた絵だけど、楽しいじゃないか♪あるものだけで充分楽しんだ。額もあり合わせの木切れを鋸とボンドで作った。中の枠は割り箸を使ってある。小さな木ネジとタコ糸で吊り紐もできた。今度ペンキで額も塗ろうね。(K)

追記:夜になって、ガハクがアクリル絵具をネット注文してくれた。青、赤、オレンジ、緑、黄色、白、黒の7本。これだけあれば何でも描ける。

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子供の視点

イランの子供たちを撮影した映画『ホームワーク』(キアロスタミ監督)がとても良かった。宿題を忘れた子供一人一人にインタビューして行くのだ。子供の語り口、その嘘も含めて、彼らの話す言葉の一つ一つからその生活が見えるようになっている。素晴らしい映画だった。インタビューそのものに怯えてパニックになってしまう子は、親友が横にいてくれるとやっと平静さを取り戻す。1時間17分の短編だけれど、最後まで観て良かった。最後に子供が詩を諳んじる。無垢について考えさせられた。潰されずに彼の一生が続きますようにと願った。

子供たちと今日は宇宙を描いた。9歳の子には土星を、7歳の子には地球を、5歳の子には星々を描いてもらった。土星の輪が歪んでしまったのが本人には残念だったらしい。でもそこがいいんだよ生きている感じがして。そう言ったら顔が笑った。(K)

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天使の仕事

「天使の仕事は謂ば足の裏」とスエデンボルグが書いていたのを思い出していた。自身の重い体を支えてライオンと戦い子供らを護り水を求めて遠くまで群れを導く足の裏。足の裏のことなど誰が思い浮かべるだろう。ましてや足の裏になろうだなんて。頭になろうとする人は多くても。

象の姿を描いてみせたら、子供も納得して描いている。わたくしがほんとうに理解しているものならば難しいことを言わなくてもストレートにダイレクトに伝わり吸収されて行く。その後粘土で作ってみて実証された。すごい迫力♪(K)

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子どもが描く自画像

鏡を使うのは久しぶりだ。たぶん10年ぶりくらいだろう。『ぞうけい』用の画材の棚を探したら5枚あった。数はちょうどいい。

自画像を描いてもらうにあたっては、教える方にも覚悟が要る。これまで子供や大人に絵を教えて来たけれど、自分の顔を覗き込んで照れたり恥ずかしがったりする人がいるのだ。そういう雰囲気が漂うと、他の人にもそれが伝播して集中感が途切れる。さて今日はどうだろう?

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今日の子ども達は全く違っていた。最初から素直にじっと見つめて描いている。画用紙のまん中に鼻を描いて、次は目へと、ひとつひとつ組み立てるように描いて行った。でき上がって見ると、目の優しさや清々しさ、口元が本人にそっくりだ。

自意識のない目、我を忘れて動く手は、楽々と羽ばたく♪(K)

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曼珠沙華

曼珠沙華の花が今日のモチーフでした。真っ赤な花びらに細い猫のヒゲのような軸の先には、小さな花粉の袋もついています。今までこんなにじっくり観察したことはありません。秋の風物のこの花もそろそろ終わりに近づいています。でも子供らの絵の中の花はずっと赤く咲き続けることでしょう♪(K)

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粘土で作ったサボテン

みんなでサボテンを粘土で作りました。先週描いた絵を見ながら思い出して制作。どんどん積み上げて横にも縦にも広がってすごい迫力です。道や人も登場して、とうとう広いサボテン公園になりました♪

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サボテン

窓を打つ台風の雨音を聞きながら、子ども達がサボテンを描いています。照りつける太陽の日射しが砂漠では尖っています。立ち枯れた木、岩、サボテンの花は太陽の色をしています♪

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