あぶらえ

描き続ける幸福

ピカソがジャコメッティを訪問したという話を矢内原伊作が書いている。アトリエに二人だけで数時間も閉じこもっていたそうだ。ジャコメッティはピカソを評価していなかったし、ピカソのような早描きで多作な人が、一枚の絵や彫刻を作っては潰し潰してはまた作るという行為を延々と繰り返すジャコメッティを理解できるはずがない。同じ一枚の絵をずっと描き続ける幸福を知ることはなかっただろう。(画)
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装飾と写実

絨毯の模様の描き直し。右側に続いて左側を描いている。トワンの座る敷物と絨毯の模様との関連が新しく生まれそうに思えてきた。装飾的なものと事物のリアル感とがより親密になりそうで面白い。(画)
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男性的?女性的?

絵を描くという事はテーマを決めたら方法を決め課題をこなして仕上げるという男性的な行為なのだとピカソは言ったそうだ。ボナールを引き合いに出し、彼は計画もなしで始め思いつくままに描き続け、いつ終わるとも知れぬ女性的でだらしない描き方をしているからダメだと。正に耳の痛い話でもあって度々浮かぶ言葉ではあるのだが、今日はふと逆の発想が浮かんだ。そこにピカソの可哀想なところがあるなという。いつまでも一枚の絵を描き続けることの幸福感が彼にはなかったんだなと。
↓絨毯を全体的に修正しようとしている。(画)
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Mac

世話していたのか世話されていたのか分からないが一日中Macに張りついていた。夜中になってようやく解決の糸口が見えたので楽な気分になった。今日はカドミウムイエローを練っただけでほとんど絵を描けなかった。↓これは昨日少し描き直した「Mの家族」猫。絨毯の模様も明日はもっと描き直せるだろう。(画)
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できるかできないか

意識していなくてもできる場合がある。意識していてもできない場合もある。できるできないと意識の有無は無関係ということになる。長所と呼ばれる得意な領域のすぐ横に大きな欠点がある。長所というのはその人間にとって唯の自然力に過ぎないから伸ばそうなどと思わなくても伸びていってしまう。反対に短所こそ個性だと言える。短所を覆い隠そうとしないでしっかり見つめていけたらいい。そこに大きな突破口があるに違いない。(画)
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死は卵だ

田村隆一の詩の一節にそうある。死をどう捉えるか。この捉え方は美しい。小説の中で死の瞬間を書いたものを思い出そうとしてみた。サルトルの「自由への道」でマチュの死の瞬間を表す場面は「15分」…意味はそこまで読まないと分からない。大江健三郎の「洪水はわが魂に及び」主人公の最後の場面に「そして誰にもやってくるものが彼にもやってきた」と書いてあった。残念ながらそこまでか。マルカムラウリー「活火山の下で」の「彼女はその瞬間たくさんの星々の中に浮かんでいた」というのにはハッとした今でも一番惹きつけられる。(画)
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少女

朝アトリエに入ってこの絵を見た途端ドキッとした。いけないものを描いてしまった気持ちがした。しかし僕には幼女嗜好は全く無い。ある種の絵画、例えばバルチュスが描いている少女像などはポルノにしか見えない。趣味のよろしからぬ絵だと思う。自分にも少女への美しさに惹かれる気持ちがあると気づいたのは最近のことではあるが、観念的なもので実際の少女にはそれほど感じない。(その反対に?)若い女性にもあまり興味がなくなった。これも年齢のなせる業かな。(画)
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寒日

花冷えというのかひどく寒い雨の1日だった。ここ連日の暖かさに慣れてしまったせいで、歳のせいもあるだろうがストーブに当たっていてもうすら寒い。こういう日はイーゼルの前に腰を下ろしたら動かなくなってしまう。じっと絵を見ながら今は枚数よりも一枚の絵にゆっくり時間をかけるべきだと思っていた。花を持つ少女の像を加筆。(画)
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絵を作るのを諦める

絵を前進させるには絵を作るということを諦めないといけない。絵は描いていればどうしてもできてしまうか、どうしてもできないでいるかのどちらかだ。そう気づいてしまえばどんな窮地に至ってもいくらでも試みることができるし、いつまでも終わらせる必要がない。絵とはそういうものだ。(画)
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過剰こそ美なり

とブレイクは言ったそうだ。しかし僕らは一番いい状態の時に筆を止めろとよく言われ、そのおかげでずいぶん不自由な思いがした。だってそれがいつなのか?今なのか?もっと先の状態なのか?しかしそれをどうやって今知るんだろう?それは経験によって…。残念ながら未だにそんな先見性を獲得していない。だから今日より明日の方がこの絵はきっと良くなる、その方が自由に絵の前で振る舞えるからそうしている。
今はとりあえず密度をもっと上げたいと思っている。(画)
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