観想の風景画

隅から引っ張り出して暫く眺めていた絵に手を入れた。風景画を描きたいとこだわっていた頃の絵だ。人物画、静物画、風景画というようなジャンル分けに意味はない。事物を風景として観想するという意識で描く事ができれば全てにオールマイティでいられるのではないかという思いがあったからだ。主題を解説するような絵ではなく感傷に浸る為の絵でもなく、そして対象への愛を表現する絵でもない、そんな絵が描けるだろうか。(画)
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ぞうけいの庭の彫刻

もう一度踏み出す覚悟が出来たので、今日は庭の彫刻を洗った。大理石の彫刻が野外でどのくらい耐えられるか実験も兼ねて置いたのだけれど、ずいぶん苔で覆われ汚れていた。ときどきは洗うのだけど追いつかない。特に背中の黒いまだら模様はいくらこすってもなかなか取れない。でも女の顔には汚れが殆ど付いていないのは、そこは大事なところだからと集中的に彫りもし砥石をかけてあったからだ。

子犬がいちばん汚れていた。洗剤を付けてタワシでゴシゴシこすったら、やっとつぶらな瞳が浮き出てきた。正面に3匹、後ろに1匹彫ってある。後ろの子犬は最初にもらわれて行ったが不幸に終わったようだ。他の3匹は幸せにそれぞれの生を全うしたと聞いている。

花の彫刻の横をトワンが通る。ときどき人間の子らも走り回るから、だれか躓いて転ばないようにと位置を少しずらして並べ替えた。丸みのある花弁を通路側に置いた。(K)

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絵のようなもの

「絵のようなもの」と「絵」とは決定的に違う。画家は「絵のようなもの」との訣別から「絵」を始める、又は「絵のようなもの」を回避する。これは技術の有無の問題ではなくむしろ技術があるからこそ「絵のようなもの」が描けてしまう。描きたいという意欲はあるのにテーマが見つからないという場合「絵のようなもの」を作り出そうとしてしまうのかもしれない。いやそうではない。意欲が外部からの刺激でなく内側から生まれているなら技術は「絵」を間違いなく生み出すだろう。その時画家はテーマからも自由なのだから。(画)
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野生への畏怖

可愛らしさや意味のある表情や誰かの面影を消して、それでも残る形を見たくて彫り始めた。

女はいつ女になりどうやって人間になるのか?それはもう一人の問題ではない。少し胸をふくよかにしてみようか。ピンクの色鉛筆で薄く丸いシルエットを描いて今夜は道具を置いた。(K)

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スカンポ その後

たぶんイタドリの生命力を描きたいんだろう。ぐんぐんと成長していく旺盛な生命力。ある日、裏山を奥の方まで登った。樹木もまばらなやや荒れた場所に出ると至る所にこいつが繁茂していた。僕の背よりも高く束になって生えていた。一人山の中でそんなイタドリの群落に囲まれた僕は野生への畏怖を感じていたに違いない。(画)
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新しいトワン

少し前にトワンが不思議な行動をとった。新しい状態に入った自分に戸惑っている風だった。数日したら納得した様子でのんびりと過ごし始めた。前にも増して可愛い。トワンの天使性が発揮されるのはこれからだろう。彼から広がるスフィアはやわらかくあたたかい。

人間はそうはいかない。憎悪の風に少しでも触れると晴れた日でも暗くなる。地獄の霊気に近づかなようにすることが知恵ある者の行動である。愛する人を守るために生きているのだから。(K)

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スカンポ

夏になると山道の脇に背の低い潅木のように生えている草、切ると茎の中は中空でスカスカだ。スカンポと勝手に呼んでいた。それが実はイタドリという名前だと知ったのはつい最近のことだ。以前から銅版画にしてみたいと思っていたがハードルが高く感じるので先ず油で試してみることにした。(画)
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その時の顔

顔を彫るのにもう以前みたいに苦しむことはなくなったのは、対峙する者がいなくなったからだろう。石の中に自分を見ることはなくなった。やって来るイメージ、浮かんでくる形に素直に従う。今日は目と口元を彫った。目には知性、口元には情愛が現れる。澄んだ涼しい目と甘く爽やかな口にしたい。

彫りながら思った。10年前はここまでは彫れたのかと。しかしここまでしか彫れなかった。この先はどうしてよいか分からなかったのだ。今は知っている。ここまで用意してもらったのだ。誰にだろう?神様とガハクに。この先は任せて!(K)

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動かず止まってもいない

テーマとして意識したものではないが植物を描いた絵が数枚ある。毎日の散歩で見ている木や草や花。季節が変われば植物の様相も全て変わる。考えてみればいつもそこにあるという意味では動かずにいるのに、一瞬たりとも止まっていないという存在の仕方、他にあるだろうか。(画)

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新しい顔には新しい彫り方

新しいトワンを彫っている。向こう側の目に彼の内面が現れている。遠くなった耳が良い角度を与えてくれた。背中の雲の羽根はきれいにふたつに分かれて並んで膨らんだ。新しい顔には新しい彫り方が必要だから、やわらかな面を作り、そこを包むくっきりと区切る輪郭線を探し出す。新しい存在の仕方をシャープに表したい。(K)

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